今回は、カグラバチに登場する幽(ゆら)について紹介していきます!
『カグラバチ』に登場する幽(ゆら)は、妖術師集団「毘灼(ひしゃく)」を率いる統領です。
主人公・六平千鉱にとっては、父・六平国重を殺害した最大の仇でもあります。
- 毘灼の統領
- 六平国重殺害の首謀者
- 6本の妖刀を奪った人物
- 自ら真打を振るうため暗躍している
という重要人物として紹介されています。
物語序盤から存在そのものは示されていましたが、長い間その正体や目的はほとんど分かっていませんでした。
しかし物語が進み、特に神奈備本部での戦いから第104話「英雄」にかけて、幽がなぜ真打を求めているのかがかなり見えてきます。
ここから先はコミックス11巻以降の重大なネタバレを含みます。
幽(ゆら)のプロフィール

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 幽(ゆら) |
| 過去の呼び名 | 由良(ゆら) |
| 所属 | 毘灼 |
| 立場 | 毘灼統領 |
| 初登場 | 第30話付近 |
| 目的 | 真打を利用し、混沌とした世の中に秩序をもたらす |
| 因縁 | 六平国重・六平千鉱 |
| 関係の深い人物 | 剣聖、昼彦、毘灼メンバー |
| 現在判明している特徴 | 樹木を利用する妖術、真打との接続 |
幽は黒髪にスーツ姿という比較的シンプルな見た目ですが、常に余裕を崩さず、目的達成のためなら大量の犠牲も厭わない人物です。
一方で、後述する過去を見ると、最初から現在のような人物だったわけではありません。
このギャップが幽というキャラクターの大きな特徴です。
カグラバチのキャラについてオリジナルの相関図とともに紹介しています。
幽の正体は「由良」と呼ばれていた人物?
幽の正体を考えるうえで最も重要なのが、第104話「英雄」で描かれた過去です。
そこでは斉廷戦争終結から間もない時代の幽が登場し、現在の「幽」ではなく「由良」と呼ばれていました。
当時の由良は、現在の冷酷な毘灼統領とはまるで別人です。
戦争によって被害を受けた地域で暮らしており、大切な女性とともに、ようやく戻ってきた普通の生活を喜んでいました。
さらに重要なのが、当時の由良が妖刀契約者たちを「英雄」側の存在として信じていたことです。
つまり幽は、最初から六平国重や妖刀を憎んでいた人物ではありません。
むしろかつては、国重が生み出した妖刀と、それを振るった英雄たちが今後も人々を守ってくれると期待していました。
「由良」は本名なのか?
作中では過去の女性が彼を「由良」と呼んでいるため、本名または当時使っていた名前である可能性は非常に高いです。
ただし、「幽は偽名で、本名は由良」と公式プロフィールで明文化されたわけではありません。
幽はなぜ六平国重を憎むようになった?
過去の由良は英雄たちを信じていました。
ところが戦争が終わった後、国重は妖刀を封印し、妖刀契約者たちも表舞台から姿を消していきます。
一方で社会から争いが完全になくなったわけではありません。
むしろ妖術師の存在が世間に広まったことで、裏社会では妖術を使った犯罪が増加。
幽はそんな世界を見て、
「これほど圧倒的な力が存在するのに、なぜ悪を放置するのか」
という考えに至ったと考えられます。
第102話では幽自身が、混沌とした世の中を圧倒的な力によって支配すべきだという思想を語っています。さらに国重が妖刀を封じた判断そのものを「間違いだった」と捉えていました。
つまり幽にとって国重は単なる敵ではありません。
「世界を救える力を持ちながら、その責任を放棄した人物」
なのです。
もちろんこれはあくまで幽側の理屈です。
実際には国重が妖刀を封じたのにも大きな理由があり、幽自身も目的のために多くの人間を犠牲にしています。
そのため幽の思想には、かなり大きな矛盾があります。
幽の大切な女性は死亡した?
第104話では、若い由良と親しげに暮らす女性も登場します。
指輪らしきものも描かれているため妻や婚約者と見ることもできますが、二人の正式な関係は現時点では断定できません。
また現在の幽の発言や過去描写から考えると、この女性を戦後の混乱の中で失った可能性が高いでしょう。
ただ、作中で事件の詳細までは、描かれたわけではありません。
そのため、大切な女性を失ったことが幽の思想を変える大きなきっかけになった可能性が高いと考えられます。
幽の目的は「真打を手に入れること」だけではない
物語の途中までは、
幽は真打を自分で振るいたい
ということしか分かっていませんでした。
しかし後の戦いによって、そのさらに先にある目的も見えてきました。
幽が欲しいのは単純な「最強の武器」ではありません。
幽は真打という圧倒的な力を利用し、
力によって世界を支配し、混沌を終わらせようとしていると考えられます。
彼にとって妖刀は戦争兵器ではなく、「悪を強制的に抑え込むための絶対的な抑止力」なのです。
だからこそ国重が妖刀を封印したことを許せないのではないでしょうか?
幽と千鉱は実は似ている?
個人的に、幽というキャラクターで最も面白い部分だと感じたのが千鉱との共通点です。
千鉱も幽も、大切な人を失ったことをきっかけに人生が大きく変わりました。
千鉱は父・国重を殺されたことで毘灼への復讐を始めます。
一方の幽も、大切な人物や戦後の平穏を失ったことで、「世界そのものを変える」という道へ進んだと考えられます。
しかし両者には決定的な違いがあります。
千鉱は戦いの中でも一般人を守ることを優先します。
幽は逆に、より大きな目的を達成するためなら犠牲を許容します。
第103話でも幽は市民を守ろうとする座村の姿勢を弱さと捉えますが、千鉱は民を守るために妖刀が存在するという考えを示しています。
千鉱は、「力は人を守るために使う」。幽は「人を守るためなら圧倒的な力による支配も必要」
目指しているところだけを見ると、どちらも「弱者が理不尽に殺されない世界」なのかもしれません。
しかし、そのために何を犠牲にしてよいのか。
幽は単なる「主人公の父親を殺した悪役」ではなく、千鉱が一歩間違えれば進んでいたかもしれない道を示す存在とも考えられるのではないでしょうか。
幽の能力・妖術は?
幽について注意したいのが、幽本人の妖術と真打の能力を分けることです。
作中では毘灼と関係する巨大な樹木や松の種子が何度も登場しており、幽自身も樹木を利用した能力を使う描写があります。
ただし毘灼の他メンバーも松の種子を利用しているため、特有の妖術の可能性は低いのかなと考えられます。
一方、神奈備本部で使用している「蜈(ムカデ)」「蜻(トンボ)」「蛛(クモ)」などは真打側の力です。
幽本来の妖術ではありません。
真打から引き出した主な力
神奈備本部での戦闘では、幽は真打と接続することで、
- 「蜈」による広範囲攻撃
- 「蜻」による強力な攻撃
- 「蛛」による行動阻害
- 身体能力の強化
- 傷の治癒
などを見せています。
真打は生命そのものに干渉する性質を持ち、周囲から奪った力を使い手側へ与えることもできます。
その結果、幽は本来の身体能力を大きく超える戦闘力を得ています。
つまり幽の強さを考える際には、幽自身の戦闘能力+真打の恩恵を分けて考える必要があります。
幽と真打・剣聖の関係
さらに複雑なのが、幽と剣聖の関係です。
幽は真打を自分の力として完全に制御したいと考えていました。
しかし真打には元契約者である剣聖の存在があり、幽が自由に扱える普通の妖刀ではありません。
第104~105話では真打との接続がさらに深まり、幽の身体そのものにも大きな変化が起こります。
世界を支配できるほどの「英雄の力」を求め続けた人物が、最後にはその英雄の力に自身を明け渡していく。
幽の過去を知った後だと、この展開はかなり皮肉に感じます。
幽は死亡した?
現時点では、「幽本人が死亡した」と断定することはできません。
ただし第104~105話では、真打との接続によって肉体に大きな変化が生じ、剣聖の存在が強く表面化しています。
ただ剣聖が体を乗り移る際に、体はすぐに返してやると言っているので現時点では死亡していないと考えられます。
ただ真打の力を十二分に引き出しているため、体は戻るも死にかけの状態で戻ってしまうの可能性も考えられます。
そのため今後は、
- 幽自身の意識が残っているのか
- 剣聖に完全に身体を奪われるのか
- 再び幽として戻ってくるのか
という点が注目していきたいですね。
幽は本当にただの悪役なのか?
幽の行動を肯定することはできません。
国重を殺害し、妖刀を奪い、多くの人間を犠牲にしている以上、千鉱たちにとって明確な敵です。
それでも第104話で過去が描かれたことで、幽の見え方は大きく変わりました。
かつての由良は、戦争が終わったことを喜び、普通の生活を大切にし、英雄たちがこれからも人々を守ってくれると信じていました。
しかし期待していた英雄たちは姿を消し、戦後にも理不尽な暴力は残った。
その結果、
「英雄が世界を守ってくれないのなら、自分が圧倒的な力によって世界を支配する」
という極端な答えにたどり着いた可能性が考えられます。
【カグラバチ】幽の正体・目的まとめ
幽は毘灼を率いる統領であり、六平国重を殺害して妖刀を奪った千鉱最大の仇です。
しかし過去では「由良」と呼ばれる普通の青年として生活し、妖刀契約者たちを英雄として信じていました。
そんな幽が現在目指しているのは、単純に真打を手に入れることではありません。
真打という圧倒的な力を使い、混沌とした世界そのものに秩序をもたらすことが本当の目的だと考えられます。
大切な人を失いながらも人を守るために刀を振るう千鉱。
犠牲を出してでも世界を支配しようとする幽。
この二人の違いは、今後の『カグラバチ』を読むうえでも重要になってくるのではないでしょうか。

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